伝統・文化

地域の歴史と文化の継承

阿月神明祭り

 1.概要

阿月の神明祭りは、旧暦の1月15日(現在は2月11日)に、柳井市 阿月地区で開催される災厄除けや病気除け、豊作を祈願する火祭りです。正保元年(1644)以来の歴史を持つ伝統行事で、平成21年(2009)に国の重要無形民俗文化財に指定されています。

 2.由来・歴史

『防長風土記注進案』によると、文禄・慶長の役の際、小早川隆景に従って出陣した浦影継が、伊勢神宮に戦勝を祈願して大勝を得たことが神明祭りの起源と言われています。

3.祭りの流れと見どころ

起こし立て(8:00頃~)

裸ん坊 白の鉢巻き・白の肌着・白足袋を身につけた若者たちを「裸ん坊」と呼び、酒樽に棒を掛けて担ぎ、独特な足取りで歩くことを「じょうげ」と言い、「チョコチョイ」の掛け声とともに通りを威勢よく練り歩きます。海水にくぐらせた笹を頭上で振るい、身を清めた後、神明(ご神体)の起し立てをする重要な役割を担っています

起こし立て

二〇メートル余りの大鉾(おおほこ)が、ほら貝と太鼓の音頭ともにハズ(張り綱)やカイゴ(はしご)に支えられ起こされます。浜をきってたちあがる光景は、祭事の中でも最も男性的な景観です

水祝い

この1年間に結婚した若者を冬の海に投げ込んで安産祈願・子孫繁栄・無病息災を祈ります。これを水祝いの儀式と言います。

神明太鼓(12:30頃~)

神明祭りに従来ある寄せ太鼓を基本として、創作太鼓を交えながら地域の小学生を中心に、祭り当日や各種イベントで演奏しています。親から子へ、子から孫へと地域の先輩が熱い思いで受け継いできた伝統芸能を継承するため、日々練習に励んでいます

長持ち上下(13:00~)

花笠を飾った長持に棒を結んで三人が担ぎ、長持囃子というのを唄い囃しながら特殊な足取りで練る行事です。その前に一人、短冊をつけた笹竹をもって先頭に立ちます。長持には古くは食物を入れて持ち歩くものとされていますので、各地区から神前に献進する御鏡餅、其の他の神饌(しんせん)を容れて運ぶ遺風と考えられます。

神明踊り(昼の部 13:30~ 夜の部 18:30~)

・「神明踊り」は音頭・太鼓に合わせて二人組みで、男子は赤穂浪士や新選組、柳生但馬守・十兵衛などを模して刀や槍、菅笠を持って武者踊りをし、女子は傘や短刀を持って踊りを行います。

また保育園児はボンデン踊り、小学生は花笠踊りや、ねずみ小僧と岡っ引きなどに扮した踊りなどをします。踊りは役柄も多く衣装にも工夫が凝らされていています。

はやし方(神明踊り夜の部の後)

夜の踊りの後、ご神体に火が放たれると、人々は「マイドローヤ、マイドローヤ」と囃したてながら、火は勢いよく燃え上がり夜空を鮮やかに照らします。ご神体が火に包まれた直後、ハズ(張り綱)を操作してご神体を海側に引き倒します。「マイドローヤ」は一説には、「祭りにまいろーや」が変化したのではないかと言われています。

この時、燃えるご神体から御幣やお飾りを取ってお守りにする「家内安全」「無病息災」等願い事が叶うと伝えられている。「シャンノ、シャンノ、シャン」と囃して締める。これですべての神事の終わりを告げます。


相の浦加茂神社 御式年祭

 

 

 

 

 

 

1.概要阿月相の浦の賀茂神社の御式年祭は、25年に一度、地区民総出で賑やかに盛大に開催されます。

2.由来・歴史この祭りは、文和2年(1353)に阿月相の浦の賀茂神社が建立されて以来、25年ごとに五穀豊穣を祈願して行われています。

3.相の浦賀茂神社について玉依姫命(タマヨリビメ)ほか5の神をまつられており、祭日は9月6・7日で、6日に湯立てを行い、7日に供物を供えます。一帯はスダジイの群落で、モッコク、クロガネモチなどの大木が繁茂しています。

伝統・文化

阿月神明祭・ 浦の賀茂神社御式年祭